不動産投資で借入するメリットは?借入額の目安やローンの審査基準も
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不動産投資では、銀行からの借入を利用して物件を購入し、月々の家賃収入からローンを返済していく方法が一般的です。
そこで今回は、不動産投資ローンを利用するメリットや、融資の基礎知識、審査のポイントについて解説します。
また後半では、借入時に必要な書類についてもご紹介していますので、不動産投資ローンについて知識を深めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
不動産投資で借入を活用するメリット
不動産投資において、金融機関からお金を借り入れるメリットは大きく2つあります。1つはレバレッジが効く点で、もう一つは手元に現金を残しておけるという点です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
借入を活用するメリット①:レバレッジを効かせて急拡大できる
不動産投資用の物件を現金で一括購入する場合、持っている現金以上の物件は購入できませんが、金融機関からの借入金を活用すれば、自己資金では購入できない物件に投資でき、より大きな利益を生み出すことができます。
このように、レバレッジを効かせて資産を急拡大していけるのが不動産投資であり、最大の魅力だと言えるでしょう。
借入を活用するメリット②:現金を手元に残しておける
不動産投資において金融機関からの借入金を活用することは、現金を手元に残しておけるというメリットがあります。
不動産経営では、設備などの修繕対応や入居者トラブルなどが突発的に発生します。この時、予備資金がしっかり確保できていれば、安定したキャッシュフローが維持できるでしょう。
また自由に使える現金が手元にあれば、想定外に発生した医療費や教育費など現金が必要な緊急事態に備えることができて安心ですし、他の投資に活用する選択肢も広がります。
可能な借入額は?不動産投資ローンの基礎知識
では、実際に不動産投資ローンを組むとなると、いくら借り入れることができるのでしょうか。また、最初に支払うべきお金や、適用される金利についても気になるところです。
ここでは、不動産投資ローンを組む上で知っておきたい「借入可能額」「頭金の目安」「適用金利の目安」についてご紹介していきます。
借入可能額の目安は年収の10倍
不動産投資ローンの借入可能な額は、年収の10倍が一般的な相場です。ただし、必ずしも10倍の借入額が通るというわけではなく、審査の結果によって借入可能な額が下がったり、または融資が通らないという可能性もあります。
したがって、物件を選ぶ際は7〜10倍と借入額に幅を持たせて検討することをおすすめします。
頭金の目安は物件価格の2〜3割
不動産投資ローンでは、頭金を入れずに全額借り入れるフルローンを活用することもできますが、最低でも物件価格の2〜3割は頭金を入れないと審査が通らないことが最近の傾向となっています。
加えて、物件を購入する際は、頭金の他に税金や手続き費用などの支払いも発生します。
【諸費用の例】
- 印紙税
- 登録免許税
- 司法書士報酬
- 固定資産税
- 都市計画税
- 不動産仲介手数料
- ローン手数料
- ローン保証料
- 火災保険料 など
これら諸費用の目安は物件価格の7〜10%が一般的ですので、頭金と合わせて物件価格の3割程度は現金での支払いが発生すると考えておくと良いでしょう。
なお不動産ローンの頭金については「不動産投資で頭金は必要?割合の目安は?フルローンのメリットやリスクも解説」で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
適用金利の目安は一棟所有で2〜3%
金融機関から融資を受ける際は、借入額に対する利息を支払う必要があり、この利息の割合を金利といいます。金利は借入先によって異なりますが、一棟所有で2〜3%が目安だと考えてください。
不動産投資ローンの審査基準は?借入審査のポイント
不動産投資ローンは、住宅ローンよりも審査の基準が厳しいとされています。そのため、不動産投資で希望の借入額を通してもらうには、きちんと返済できることをより明確に証明する必要があるのです。
一般的に、融資の審査基準は個人の属性と物件の属性の2つで判断され、それぞれ細かな項目が設けられています。それぞれ詳しく見ていきましょう。
審査ポイント①:個人の属性
個人の審査では、収入・年齢・家族構成・金融資産・不動産経営の実績などで判断がなされます。
収入における審査では、年収や勤務先、勤続年数などを確認し、借入者の返済能力を確かめます。ちなみに、不動産投資ローンが組める収入の基準は年収700万円以上で、それ以下の場合は自己資金をできるだけ多く準備したり、本業の収入を上げたりといった対策が求められます。
また、毎月の支出や保証人の有無を確認するために家族構成を把握したり、現金以外の金融資産についても見られます。万が一、急な出費や多数の空室が発生した場合に耐えられるかどうかや、金融資産を貯めている実績を見るためです。
例えば、収入がいくら高くても金融資産がほとんどない状態だったり、金融資産が多くても安定した収入が見込めない状態だったりすると、希望する借入額で審査が通らない可能性があります。金融機関は総合的に返済能力を判断しますので、あらゆる属性を高めておくことがカギとなるでしょう。
なお、詳しい年収目安については「不動産投資はいくらから始められる?融資に必要な年収目安や初期費用について解説」をご覧ください。
審査ポイント②:物件の属性
物件の審査については、不動産の収益性や安定性がチェックされます。具体的には、キャッシュフローや利回り、積算価格、耐用年数などの指標で物件が持つ価値をはかります。
一般的に駅チカ物件や築浅物件は評価が高いと言われていますが、だからといって必ずしも良い物件とは限りません。特に新築マンションは家賃が下落しやすく、利回りが低い物件が多いため、将来的にキャッシュフローがマイナスになりがちです。
また不動産投資は長期的な事業ですので、経営状況や法改正、市場サイクルの変動、環境の変化、金利の変動など、あらゆる変化を考慮する必要があります。そのため、立地や物件のコンディションだけでなく、競合物件の状況やエリア内の家賃下落率、需要と供給などを総合的に見て、物件を選定していくべきです。
ただし、金融機関や不動産会社の担当者からの評価がいくら高くても“絶対に失敗しない物件だという保障はない”ことは覚えておいてください。周りからの情報を鵜呑みにするのではなく、オーナー自らが収支シミュレーションを作成し、判断していきましょう。
なお、不動産の平均利回りについては「不動産投資の平均利回りは?利回りの基本や理想的な利率の見つけ方について」で解説しています。
不動産投資ローンの借入時に必要な書類
不動産投資ローンの借入を申し込む際は、契約前の融資を打診するタイミングで審査に必要な書類を提出します。
金融機関によって必要書類が異なるケースもありますが、ここでは一般的な書類についてご紹介していきます。なお、融資打診時は写しを提出する書類がほとんどですが、本申込時(契約後)には原本の提出・提示が必要になることもありますので、金融機関の指示に従ってください。
個人属性に関する書類
個人属性に関して必要な書類は以下の通りです。
□顔写真付き本人確認資料(運転免許証やマイナンバーカード等)
□健康保険証
□住民票 (発行後3ヵ月以内)
□プロフィールシート ※大学から現在までの職歴や保有資格、資産や収入明細など記載
□ご保有資格資料
□給与明細3か月分、賞与明細直近2回分
□源泉徴収票(直近2年分)
□あれば確定申告書一式(直近2年分)
□他社借入返済表(個人・法人/借入にはリボ払、キャッシングが含む)
□保有不動産資料(謄本および管理会社発行の送金明細を最新3ヵ月分)
□ご保有物件の修繕履歴
□(購入物件)長期のキャッシュフローシミュレーション表(融資期間以上)
□金融資産の確認資料 (給与振込口座、ローン引落口座、生活口座も含む。履歴6ヵ月分)
資産の明細は最大限記載しておきましょう。また、現在借入については詳細に記載した方が金融機関からの印象は良くなります。
加えて、不動産売買契約後の本申込時には「印鑑証明書」も必要になります。用意する通数も必ず金融機関に確認しておいてください。
不動産に関する書類
すでに不動産を所有している場合は、不動産の所在が分かる資料を用意します。またその不動産が投資用であれば、賃貸借契約書とレントロールも提出します。
法人に関する書類
法人を所有している場合は、下記の書類も提出が必要です。
□法人印鑑証明(発行後3ヵ月以内)※法務局発行原本
□商業登記簿謄本(発行後3ヵ月以内)※法務局発行原本
□定款 ※原本
□法人決算書一式(最新3年分)
□法人試算表(最新決算から6ヵ月以上経過の場合)
□家賃明細3か月分
□保有物件謄本
□事業性通帳 ※1年分以上
□法人返済予定表
不動産投資で借入を活用する際の注意点
今回は、不動産投資をするにあたって、金融機関からの借入を活用するメリットや、融資の基礎知識、審査のポイント、借入時に必要な書類についてご紹介しました。
不動産投資は、本質を理解していなかったり、シミュレーションが甘かったりすると、ローンの返済遅延に陥ってしまう恐れがあります。ローンの返済ができなくなると、物件が差し押さえられ、金融機関と相談の上で任意売却し返済に充てたり、それでも完済できない場合は手放した物件の債務を返済し続けなければなりません。
とはいえ、不動産投資は正しい知識とスキルを身につければ、他の投資商品に比べて安全な資産運用です。不動産会社などに判断を委ねるのではなく、得た情報を自分でコントロールできるように、不動産投資に関する知識とスキルを身につけていきましょう。
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