実際の物件事例を通して、どのような点に着目して購入する物件を精査するのか、その”視点”について学んでいきましょう。
いずれも、過去、実際に私が売買に関わった物件です（内容を一部改変しています）。それぞれの事例から見るべきポイントやシミュレーションの方法について、疑似体験してみてください。

今回の事例集のうち、こちらは唯一「バルクタイプ」のものとなります。

不動産投資で言うところのバルクとは、複数の物件をまとめて販売している形態のことを指します。

こちらのバルクでは、9戸の物件がセットで販売されています。物件はそれぞれ、東京のものもあれば神奈川県のものもあります。何らかの共通点があるというわけではなく、不動産業者の都合でまとめられていると考えていいでしょう。9戸のトータルで価格は6500万円となっています。表面利回りは8・5%です。

物件のポイント

バラバラの物件をバルクとしてまとめて販売している理由の多くは、単体では販売に時間がかかるためです。また融資をつけるにしても金融機関の担当者が手間の割に手数料が少ないので融資がつきにくいです。ついたとしても信販系のファイナンスぐらいしかなく、それならば、まとめて売ってしまった方がいいということでまとめられています。
もちろん、購入する投資家としては、1戸ずつ高値で販売しようと考えることでしょう。ただ、必ずしもそううまくいくとは限りません。もし、それぞれの利回りが悪ければ目も当てられないでしょう。

ただ、こちらのバルクは、利回りも比較的よく、入居者がきちんとついていました。区分マンションの多くは、空室で高い利回りを掲げているところが少なくありませんが、それはあくまでも入居者がいてのことです。そのため、入居者の有無は非常に重要となります。

空室の高い利回りにだけ着目し、それで購入を決めてしまうと、客付けに思いのほか苦労してしまう可能性があります。場合によっては、客付けにあたり仲介業者に高額のマージンを支払わなければならないなど、出費がかさむケースもあります。その点、とくにバルクは判断が難しいところですが、

利回りと入居状況をきちんと確認し、その上で1物件1物件の価格を判断した方がいいでしょう。

都市部で利回りがいい物件などは、よく注意しつつ検討するべきです。

不動産業者の売り方とは

不動産業者の売り方とは不動産投資に関する業者のスタンスには、大きく2つのタイプがあります。
1つ目は、相場より安く買って、相場より安く売ってくれる不動産業者です。このよう
な楽者であれば、自らの利益を確保しつつ、買い手としても相場より安い価格で物件を購
入できることになります。

もう1つは、相場よりちょっと安く買い、相場より高く売る不動産業者です。前者と比
較して、乗せている利益額は同じだったとしても、買い手にとっては相場より高い価格で
購入してしまうことになり兼ねません。

不動産投資をする際には、取引を行う業者がどちらのタイプなのか、あらかじめ見極めておくことが大切です。そのためには、自ら相場を判断できるスキルが必要となります。業者によっては、売り抜けてしまえばいいと考えているところも無きにしもあらずなのです。

バルクタイプの物件は、さまざまな種類の不動産を一度に購入できるため、それぞれを高値で売却できる可能性もあります。ただし、不動産業者のスタンスによっては、すでに相場より高値で販売している場合もあるのです。相場より高いか安いかは重要ですが、

しっかりとしたシミュレーションに基づき購入を検討することが必須す。
そのように、物件の良し悪しだけでなく、業者のスタンスも見極められるようになりましょう。

ポイント

1.いくつかの不動産をセットで販売しているのが「バルク」
2.不動産業者の都合でバルクにしている場合も
3.利回りだけでなく、入居状況もきちんとチェックする

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