不動産投資に潜むリスク

2024.05.01
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「不動産投資って具体的に何?」「なぜ、不動産投資なのか?」と言った疑問を持つ、これから不動産投資を始めようと考えている方々へ向けた、ブログ講座です。是非、今後の投資活動にお役立て下さい。

不動産投資のリスクとは

不動産投資にはさまざまなリスクが潜んでいます。シミュレーションを経て、そのようなリスクを1つひとつ潰していくことが、不動産投資の成功確率を高めることにつながります。ここでは、そんな不動産のリスクについてみていきましょう。
まず、想定される代表的なリスクについて概観してみましょう。次のようなものが挙げられます。

◯家賃の下落
◯空室の増加
◯建物の経年劣化
◯地震による倒壊
◯事件、事故
◯物件の瑕疵
◯債務不履行
◯契約上のトラブル(家賃保証など)

家賃の下落については、前述の通り、周辺相場やエリアの将来性、あるいは物件の築年数から、家賃がどのくらい下落するのかを予測し、きちんとシミュレーションに盛り込んでおくことが大切です。

空室の増加についても同様です。ライバル物件の出現や市場の大きな変化など、予測できないこともありますが、少なくとも、相場を元にした厳しい条件においてシミュレーションをしておくべきでしょう。当然、入居促進策については対象物件の近隣業者へのヒアリングは実施しているものとします。空室の増減は、不動産投資の成否を大きく分けるポイントとなります。空室の減少施策として入居期間の延長という方法もあります。あるオーナーはファミリータイプの物件に年末に食品をプレゼントしたり、長期間の入居者へプレゼントをしていました。私の経験では物件の清掃状況、日当たり、通風が揃っている場合は同様物件と比較して1.5倍程度の入居期間になっています。

建物の劣化については修繕が必要になります。割と修繕しないオーナーもいますが、賃貸業がサービス業であることを考えると、オーナーの役割を果たしていないと思います。また、修繕しすぎるオーナーは原価率の高い店のようなもので、非常に利益が圧迫されて経営が難しくなります。

修繕については不動産の投資と同様にコストとリターンのバランス感覚が非常に重要です。
たとえば、入居の回転率の高いワンルームのリフォームでは、床材を柔らかい素材の「クッションフロア」から「フロアタイル」という固い床材に変えることで、毎回の床の貼り替え作業を削減し、かつ見栄えが良く入居が促進できるという効果があります。新素材や新工法でコストパフォーマンスが激変することがあるので、リフォームの展示会などで情報収集や研究をされることを推奨します。

また、とくに日本の場合、地震や津波による物件の倒壊や損傷を意識しておくべきです。
対策としては、1981年6月以降に建てられた「新耐震基準」の物件を選んだり、あるいは地震保険に加入したりするなど、可能な限り地震リスクに備えておくことです。

事故や事件により、物件がいわゆる「事故物件」化してしまうのもリスクです。それらのトラブルは予期できないこともあり、対処は難しいのが実情です。ただ、連鎖退去を防ぐために入居者のフォローアップをするなど、方法がないわけではありません。

物件に何らかの瑕疵があった場合はどうでしょうか。もし、欠陥があることを知らずに物件を購入してしまった場合、売主にそれを修繕する(あるいは修繕費を支出する)義務があります。これを「瑕疵担保責任」と言います。民法の規定では、買主が瑕疵を知ったときから1年以内は売主が責任を負うとされています(民法第570条)が、不動産投資の常識では瑕疵担保責任無しでの売買となっています。ただし、売主が宅建業者の場合は宅建業法上2年の瑕疵担保責任が課せられています。あまり知らない方もいますが、この場合、瑕疵担保責任免責と謳った契約を締結しても売主の宅建業者の主張は無効です。

その他、想定したより得られる家賃収入が少なく、ローン返済が滞ってしまうこともあります。場合によっては債務不履行の状態になってしまう可能性もあるでしょう。そのような場合には、まず物件の売却を検討します。その段階でローン残高を税金を含めて相殺できれば、物件を売却することが精神衛生上一番良い方法です。

あとは、契約上のトラブルもリスクとなり得ます。とくに不動産投資において多いのは、家賃保証(いわゆる「サブリース」)に関するものです。家賃保証は空室リスクを回避できるように思えますが、実際にはトラブルの元にもなっています。

不動産投資とサブリース問題

改めて、不動産投資におけるサブリース問題にフォーカスしてみましょう。
そもそもサブリースとは「転貸」や「又貸し」のことです。不動産投資家が最も恐れる空室のリスクを、サプリース会社が転貸契約を結ぶことで補償する。それがいわゆるサブリース契約となります。
一見すると、サブリースは不動産投資家の味方であるように思えます。たしかに、不安定な家賃収入を安定的な収益へと変えてくれるのなら、それほど心強いことはありません。

ただ、サブリース会社との契約には、落とし穴もあるのです。
そもそもサブリース会社は、事業としてサブリース契約を結んでいます。つまり、サブリースをしても儲かるような仕組みがあるからこそ、そのような契約を締結していることになります。そこにはビジネスを成立させるカラクリがあるわけです。

一般的には、アパートやマンションの建築費用の価格をサブリース契約に転嫁してセットで提供していたり、サブリース費用を売買代金に上乗せしていたり、あるいは長期契約と声高らかにアピールしているが、それは基本契約だけで賃料条件は2年ごとの見直しのために10年も経たないうちに家賃保証額が融資の返済額を下回るなど、契約内容にちょっとしたワナが仕掛けられています。それが結果的に、不動産投資家を苦しめることになるのです。

たとえば、サブリース契約の多くは、修繕やリフォームを行う際には、そのサブリース会社を通すような契約となっています。当然、ここにはサブリース会社の利益も乗せられているはずです。
あるいは、サブリース会社から支払われる賃料が、一方的に減額される場合もあります。
本来、保証された家賃がサブリース会社の都合によって減額されてしまう。そうなると、投資計画にも大きな支障をきたしてしまうでしょう。
このように、サブリース契約の裏側には、トラブルの種が隠されていることも少なくないのです。ですが、不動産の相続税評価を下げるために賃貸割合100%が欲しい資産家はサブリースを選択してしまうのです。

ポイント

1.不動産投資には様々なリスクがあり、それらを一つずつ潰すことが成功への道。
2.サブリースは一見いいこと尽くめの制度だが、その裏に潜むリスクも熟知すべき。

 次回は「不動産投資で勝つための条件」です。お楽しみに!

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