不動産投資における「勝ち組」と「負け組」とは?

2024.02.28
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「不動産投資って具体的に何?」「なぜ、不動産投資なのか?」と言った疑問を持つ、これから不動産投資を始めようと考えている方々へ向けた、ブログ講座です。是非、今後の投資活動にお役立て下さい。

甘い言葉が蔓延する不動産業界

不動産業界には、さまざまな”甘い言葉“が蔓延しています。毎月のように出版されている書籍のタイトルや帯の文章から、その一部を引用してみます。

・家賃収入が〇円になる!                                  ・高家賃でも空室ゼロ! ・たった〇年で〇円の収入を達成! ・みるみるお金が増える! ・お金持ちになる! ・自由になれる! ・セミリタイアできる! ・不労所得を得られる! ・年収〇円だった僕が資産〇億円を築いた方法 ・自己資金ゼロからの

このようなキャッチーな言葉によって不動産投資に関心をもたせ、さらには夢を抱かせるような書籍がたくさんあります。個々の書籍の内容の善し悪しはさておき、こういった事実が、不動産投資業界のイメージを形成していることは間違いありません。

 たしかに、どれも魅力的な言葉ばかりです。とくに不動産業者のメインターゲットとなる不動産投資の知識の浅いサラリーマン・公務員にとって、本業以外の収入が得られる、あるいはセミリタイアや不労所得、仕事から自由になるなどの言葉は、つい反応してしまうのではないでしょうか。

 「嫌な仕事を辞められる」「満員電車での通勤がなくなる」「上司や部下とのやりとりに煩わされない」

 これらの夢があたかも不動産投資で簡単に実現できるかのような印象を抱かせるキャッチコピーすらあるのです。

 しかし、実際はどうなのでしょうか。もちろん、不動産投資で大きく成功しているサラリーマン・公務員もいます。成功し、会社を辞め、さらには会社を設立して不動産投資を事業として行っている人もいます。「セミリタイアできる」「将来に備えた資産形成が可能」というのは、まったくの嘘ではありません。

しかし、その裏側には、「負け組」が存在していることを忘れてはなりません。甘い言葉に踊らされ、何も考えずに不動産投資に参入してしまうことは、そうした負け組への道を歩むことになり兼ねません。

「勝ち組」と「負け組」を分けるポイントとは

では、何が不動産投資における「勝ち組」「負け組」の分水嶺となるのでしょうか。「負け組」の特徴からそのポイントを洗い出してみましょう。

まず、判断能力が乏しい人、つまり意思決定のレベルが低い人は不動産投資に失敗する傾向があります。高いレベルの意思決定の前提となるのは、不動産に関する豊富な知識であり、かつ慎重に判断しようとする冷静さです。具体的に考えようとしなければ、判断力は身につきません。

 また、不動産投資はディフェンシブな人ほど成功しやすいと述べてきたように、あまりに大胆な人も失敗しやすいでしょう。慎重さともつがりますが、不動産投資は大きなお金が動くだけに、石橋を叩いて渡るぐらいがちょうどいいと言えます。

 その他には、きちんとリサーチできない人は失敗する可能性がかなり高いです。情報収集は投資判断の根幹となる要素です。正しいリサーチを経て、さらには得られた情報をきちんと分析し、その上で慎重に判断できない人は失敗する確率が高くなります。なぜリサーチや分析が必要なのかと言うと、「不動産投資はリスクを図ることが肝心」だからです。その物件を購入することで生じるあらゆるリスクを想定し、そのリスクと得られるリターンを比較しつつ、最終的な意思決定をするのが基本です。

端的に言えば、リスクからの逆算がポイントになります。物件を購入してからどうするかを考えるのではなく、物件を購入する前に綿密なシミュレーションを行い、あらゆるリスクを出し切った上でどうなるかを予測しておくことが基本なのです。不動産投資がディフェンシブな投資と言われる理由もそこにあります。 そのような訓練を日頃からしておけば、いい物件と出会える確率も高まります。

リスクとリターンのバランスを徹底的に把握する

あらゆる投資がリスクとリターンのバランスから成り立っているように、不動産投資もまた、事前にリスクをどれだけ把握できるかにかかっています。あまりにリスクが大きければ参入するべきではないですし、リターンが少なすぎる場合も同様です。

よくある失敗例として、リスクが少ないと判断して物件を購入したのはいいものの、得られるリターンもまた少なく、結果的に収益性に乏しくなってしまったというのがあります。このような例はまさに薄利がリスクであることを認識していない証拠です。

 不動産投資において、薄利は大きなリスクとなります。初期投資が(たとえ、それが金融機関からの借入だったとしても)他の投資と比較して高額なため、少ない収益では採算がとれません。その点、リスクとリターンのバランスは大事なのです。

貸借対照表という観点から考えると、物件を購入すれば資産として土地と建物が加わることになります。債務状況を勘案し、その時点で簿外資産がプラス(相場より安く買えた)になっていればそれはそれで成功ですし、いきなり簿外資産がマイナスに陥ってしまうという失敗例も少なくありません。

さらには、月々のローン返済額と家賃下落率を含む家賃収入、税金、物件の相場など、リスクおよびリターンに影響する指標は無数にあります。いずれも探し続けていればキリがないため、重要なものだけをピックアップし、瞬時に判断できるようにするべきです。

「そんな面倒くさいことをしなければならないのか」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、不動産投資で成功するには、そのような過程を経る必要があります。不動産投資を取り巻く甘い言葉に惑わされることなく、堅実な投資を行いましょう。

ポイント

不動産投資では、リスクを図り、リスクから逆算することが基本となる。

不動産投資は、リスクとリターンのバランスで意思決定することが大切である。

 次回は『不動産投資は「相場」がすべて』です。

お楽しみに!!

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